ミャンマー人と日本人、タイ暮らし🇲🇲🇯🇵

タイに住んでいる日本人妻×ミャンマー人夫の国際結婚夫婦です🇹🇭

【ミャンマー】クーデターから1年🇲🇲

こんにちは!

ミャンマー人の彼氏と国際遠距離恋愛中のなーこです🇲🇲🇯🇵

 

高校生の頃から大好きだったマンガ「進撃の巨人」の最後のシーズンが絶賛放送中です。マンガはすでに完結しているので結末はもう知っているんですが、やっぱりアニメで見ると違いますね。臨場感がたまらない。

巨人が壁を破って雪崩れ込んできたことで平和な日常が一変してしまう、そんなエレンたちの姿にクーデターで一瞬にして日常を奪われたミャンマーの人たちが重なって見えました。進撃に関しては思うこと色々あるので、また別の機会に書ければいいかなと思います。

 

さて、2月1日でミャンマーのクーデターから丸一年が経ちます。ミャンマーに関わりがある人たちにとっては重く苦しい一年だったと思います。私自身彼氏がミャンマー人なのでミャンマーのクーデターは他人事ではなく、本当に胸を痛めた一年でした。

次第にニュースで取り上げられることも少なくなってきて、ミャンマーは落ち着いたんじゃないかって思う人がいてもおかしくないですが、落ち着いてなんかいません。ミャンマーに関わる私たちにできるのは、草の根的に周囲の人たちにミャンマーのことを伝え続けることだと思います。

 

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クーデターについて、さらっと要約

ミャンマーのことをあまり知らない人たちと話していると、そもそも今のミャンマー国内での対立構造が分からないため、どうしてクーデターになったのかなぜそれに対して国民が反発しているのかどうして最終的に武力で争うに至ったか分からない/知らない人たちがとても多いように思いました。無理もないですよね。私だって正直クーデターが起きてから必死に勉強するまでミャンマーについてあまりに無知でした。

 

ミャンマーで最初の軍事政権が起こったのは1962年のこと。ネ・ウィン将軍がクーデターで軍事政権を樹立しました。

その後1988年に民主化を求める群衆による8888民主化運動が起こりましたが結局武力をもって弾圧され、多数の死者を出した挙句民主化は失敗。ただ、その時に軍事政権の対立候補として名が上がったのがイギリスから一時帰国中だったアウンサンスーチーで、彼女をはじめとする民主化指導者たちが結成した政党がNLD(国民民主連盟)です。ただ、アウンサンスーチーはこの後自宅軟禁されてしまいます。

多くの犠牲のもと維持された軍事政権ですが、2008年に新憲法発布という転機を迎えます。(ただこのとき採択された新憲法というのがとても難ありな代物で、これについては後述します。)そして、2010年に新憲法に基づいて総選挙が行われましたが、NLDがボイコットしたため結局軍がバックにいる政党が政権を取ることとなり、軍の傀儡政権が誕生しました。

その5年後の2015年に二度目の総選挙があり、このときは民主化勢力のNLDが圧勝し、ついにミャンマー民主化の政権が誕生することとなりました。

そして三度目の総選挙が行われたのが2020年の11月のこと。クーデターの数ヶ月前です。そして当然ながらNLDが圧勝し、NLDが2期連続で政権を取ることが決まりました。それが面白くなかったのが軍の上層部。権力を取り戻すために行ったのが今回のクーデターだと言われています。

 

NHKがまとめているこちらのページがとてもわかりやすいので、参考までにリンクを貼っておきますね。

www3.nhk.or.jp

www3.nhk.or.jp

www3.nhk.or.jp

 

軍がやり放題できる2008年憲法

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Photo by Filip Andrejevic on Unsplash

先ほど軍が2008年に新憲法を発布したと書きましたが、これが本当に難ありの代物です。なぜなら軍に有利な内容になっているからです。

そのためにはミャンマーの議会について説明しないといけないですね。

民政移管する前に、軍は議席の4分の1は軍人が占めると定めました。そして、憲法改正のためには議会の4分の3以上の賛成が必要だとも定めました。ということは、軍人の誰かが軍を裏切らない限りは憲法改正はできません。軍の同意がなければ憲法が改正できないんです。やりたい放題やって少数民族を虐殺する軍を裁きたいと思っても、軍は憲法で守られているんです。軍を裁くために憲法を改正しようと思っても、そこには軍の賛成が必要なんです。

また、憲法の規定上、軍は政府に統制されない独立した存在となっています。そのため軍が何をやったところで政府にはそれを止める「権限」がないんです。

 

知ったかぶりする人ってアウンサンスーチーがクーデターで拘束されたことに対して「当然だ」というんです。「ロヒンギャを弾圧した悪いやつだろ?」だなんて。

でもこうして憲法についてちょっとでも知ればわかりますよね。アウンサンスーチーは国家顧問だから責任を問われたけど、彼女には軍の暴走を止める権限はないんですよ。軍がロヒンギャを虐殺したとして、アウンサンスーチーにはそれを止める術はないんです。

 

クーデターに対する国民感情

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Photo by Pyae Sone Htun on Unsplash

最初に書いておくと、私の彼氏こんちゃんはNLD支持者です。彼はアウンサンスーチー宅を訪問したこともあるらしく、一緒に写った写真を見せてくれました。ただ、ミャンマー国民みんながNLDを支持しているわけではありません。当たり前だけど。

 

クーデターから数日の間はミャンマー国民も頑張って耐えていました。抗議活動といえば毎晩8時から鍋を叩き鳴らすこと。でも次第に人々は街に繰り出してデモを行うようになりました。こんちゃんも加わりました。

でもこんちゃんのカレン族の親友はNLD支持者ではなかったようで、周りのみんながデモに行っても最初のうちは我関せずという感じでした。あくまでも私感ですが、その時点での対立図式としては「軍 VS NLD支持者」という色合いが強かったんじゃないかなと。

そんなこんちゃんの親友ですが、次第にデモに参加するようになっていきます。対立図式が「軍 VS NLD支持者」から「独裁者 VS 民主主義を求める民衆」へと変わっていったんだと思います。

ミャンマー人が何に怒っているかというと、言いがかりとしか言いようのない罪状でアウンサンスーチーを拘束したことももちろんですが、選挙の結果を尊重されていないというのは大きな要因だと思います。アウンサンスーチー擁護のための戦いではないんですよね。民主主義のための戦いなんだと思います。だからNLDを支持していようがいなかろうが、このまま軍がやりたい放題やっていたら自分たちの権利は蹂躙されてしまう。選挙結果が気に食わないからってクーデターを起こす軍のことですから、軍に刃向かう民衆がどんな目に合うかなんて想像に難くないですよね。だからこそ軍を倒さないといけないと人々は立ち上がったんだと思います。

ちなみにそのこんちゃんの親友ですが、最終的にPDFに入りました。奥さんと幼い娘を家に残して、今も前線で戦っています。

 

デモに加わらなければ安全?

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Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash

ミャンマー関連のニュースを見聞きするとき、特にデモ参加者が撃たれて亡くなったというニュースを見聞きするとき、「ああ、きっとデモに参加しなかったら亡くならずに済んだのに」なんて思ったことありませんか?正直に言ってください。あるでしょう?デモに参加したから亡くなったんだ。デモに参加しなかったらよかったのに。

 

正直私は最初のうちはそう思っていました。デモに参加したらいつ死ぬか分からない。何があるか分からない。だから行かないで。そう言ってこんちゃんを止めたこともあるし、そのせいで言い合いになったこともありました。

その考えが間違っていたことに気づいたのは、クーデターから一月以上経ち、軍の無差別襲撃が過激化してきたころのことです。特にショッキングだったのは、7歳の女の子が自宅で軍に射殺されたこのニュース。

www.bbc.com

ミャンマーの人たちは過去に軍による弾圧を経験しています。抗議活動の中心となっているZ世代は私と同世代で、民主化に向かっていくミャンマーで育ってきた世代になりますが、彼らだって親から軍の暴虐について聞いて育ってきているでしょう。Y世代にあたるこんちゃんだって、サフラン革命に巻き込まれた経験もあるし、軍が再び力を握れば何が起こるかよく知っています。だからこそ、その時代に逆戻りするのを未然に防ぐためにもミャンマーの若者たちはデモに参加していったんだろうなと、今になってわかります。

 

正論はときに人を傷つけるし、綺麗事なんていらない

だからって、PDFに参加して軍を攻撃するのは間違ってるよ。

武力に武力で対抗したら、軍と同じレベルに落ちてしまう。

非暴力じゃないと国際社会は寄り添ってくれないよ。

 

そんな言葉をかける人、いますよね。正論です。わかります。でも、今ミャンマーの人たちが欲しいのは正論でしょうか?綺麗事でしょうか?そんなの彼らだって百も承知でしょう。武力を持って対抗したくないから、ミャンマーの人たちだって耐えました。非暴力で対抗しました。抵抗しました。それなのに力をかさなかったのは国際社会でしょう?

国連の安保理は動かない。ASEANだって頼りにならない。日本はミャンマーの軍とコネクションがあるから当てにならない。アメリカは経済制裁はするけど、それってどれだけの効果があるんでしょうか。

正論は暴力です。ミャンマーのことを本当に思っているなら、私たちは無闇に正論を振りかざすのではなく、ミャンマーの人たちの思いに寄り添うべきではないのでしょうか。

 

ミャンマーの平和を願いつつ

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Photo by Jonathan Meyer on Unsplash

ミャンマーに1日も早く平和が戻りますように。これ以上苦しむ人が出ませんように。

そう願いつつ、祈りつつ、2月1日はぜひ一度ミャンマーにまた目を向けてみてください。